最近、私の部下たちには朝のルーティンがあることに気づきました。
出勤して、席に着く。
パソコンの電源を入れる。
ここまでは普通。
その次にすることは――
ChatGPTを開くことです。
その作業風景を眺めながら、私は思います。
( ゚д゚)(時代やねぇ…)
AIを使って効率化するのは、良いことだと思っています。
人がやるべきことと、AIができることを分ける。
それはたぶん、正しいでしょう。
でも最近、ちょっとした違和感があります。
■ 資料作成の依頼をしてみると...
ある日、私は部下(主任)にこう頼みました。
「次の会議に、この問題を出したいから、資料にまとめておいてくれない?」
すると部下は、少し困った顔で一言。
「何をどう作ればいいですか?」
( ゚д゚)(あ、これは私の指示が曖昧だったな…)
私は心の中で反省し、もう少し具体的に説明しました。(凡人、経験値up)
「課内の共有フォルダーにある〇〇のデータをグラフにしてこのままだと××に問題が出そうだということを示す資料にしてほしいんよね。お願いできる?」
すると、部下からは思いがけない回答が…。
「そのデータって、どこにあるんですか?」
(;゚д゚)(普段、君も使ってるやつよ…?)
そう思いながらも、笑顔で答える。
「あ、ごめんごめん。△△のフォルダーに入ってるやつ。普段、仕事で使ってなかったっけ?」
「わかりました~。△△のフォルダーにあるデータですね」
思い出した様子は特にありませんでした。
ただ、指示を受け取っただけという感じです。
■ 出てきた資料は「グラフ+一言」
しばらくして、部下から資料が送られてきました。
グラフがドーン!
その下に一言。
「××の問題がある」
いや、そうらそうなんだけどね…。
もうちょっとこう、背景とか、説明とか、あるやん?
しかもよく見ると
前月比1000%増という謎の数字が輝いていました。
(おそらく桁数ミス)
そんな急成長してたら、社会問題で全国ニュース!
NHKスペシャルのオファーが来るレベルです。
そんな部下も、向上心は人一倍あります。
「もっと自分の能力を向上させたいんです。色々教えてください」
と、部下は真剣な顔で言うんです。
私は送られてきた資料を見ながら、心の中でつぶやいていました。
(;゚д゚)(その前に、数字を確認してくれへんかな…。)
■「気づいたことも書いていいよ」と言った結果
部下の今後のためだと思い、私はこう伝えました。
「結論を一言で入れるのは良いね。でも、なんでこの話をしないといけないのか、この数字が表す意味とか自分なりに気づいたこととか書いてもいいんよ?むしろ私が気付いてないことがあったら教えて欲しい」
すると部下はうなずいたあと――
真っ先にChatGPTを開いていた。
そして部下は、こう入力していました。
「ここから気づくことは何かあるか?」
ヽ(`Д´)ノ そこは自分でちょっとでもいいから考えようや
しばらくして、AIの回答が表示されたのか、部下が作業を再開。
数分後「できました!」と部下が資料を送ってくる。
どれどれ、と見てみると――
- フォントが違う
- 文字サイズも違う
- 文章中に「##」や「**」が残っている
ヽ(`Д´)ノ Markdownごと貼っとるやないかい。
しかも、よく読むと事実と違う内容まで混ざっている…。
いわゆるハルシネーションというやつです。
結局、私が最初から作り直すことになりました。
その瞬間、頭の中に浮かんだ言葉。
「便利な中間管理職」を通り越して、もはや「AIの不具合処理係」
■ 役割の逆転:人間がAIの下請けになる日
帰り道、ふと思いました。
「うちの部下、AIに憑りつかれてる?」
朝はまずAIを開き、分からないことはすぐにAIに聞き、気づきもAIに聞き、そのままコピペする。
まるで、経典を開く信者のようです。
でも、良く考えるとAIが悪いわけではありません。
本来は「人間が考えて、AIが補助する」関係のはず。
でも現場では完全に逆転していました。
AIはあくまで道具ということを、どこかで忘れてしまっているようです。
■ 凡人なりのハルシネーション対策
外の情報なら「一次資料を使え」とか、プロンプトで多少は縛れます。
でも、社内の数字はそうもいきません。
特別なスキルは要りません。
私が実践しているのは、まずこの2つです。
「AIの答えを見る前に、1秒だけ自分の予想を立てる」
「たぶんこのくらいの数字になるはず」と頭の中で予測してから、AIの回答を見る。
そのズレに気づく感覚が、ハルシネーションを発見するセンサーになります。
前月比1000%増が「あれ、おかしくない?」と引っかかるのも、このセンサーが働いているからです。
あとは「コピペ後に、あえて面倒な作業を挟む」
AIの文章をコピペしたら、Markdownの記号を手で消したり、書式を整えたりする「一手間」を意図的に入れます。
面倒くさいのですが、これが実は最強の対策です。
その作業中に自然と文章や数値を目で追うことになる。
結果として、ハルシネーションや加筆が必要な箇所に気づけます。
部下が「##」や「**」をそのまま貼ったのは、この一手間を省いたからです。
「あえて面倒にする」というのが、AIと付き合ううえで意外と大事な習慣だと思っています。
ただ、これは自分がAIを使うときの話。
部下に対してはもう少し違うアプローチが必要です。
資料を受け取る前に、笑顔でこの一言だけ投げるようにしています。
「で、君自身はこれを見て、マジでそう思った?」
この一言だけで、持ってきた資料(AIの答え)は
「部下ではない、他人の意見」に戻ります。
それをどう判断するかは、やっぱり人間の仕事ですよね。
■ 読んでくれたあなたへ
明日もたぶん、部下の資料を一緒に直していると思います。
でも、「自分ならどう思う?」と問いかけることは続けます。
そうして少しずつでも育ってくれたらいいな、と思っています。
そして、こんな悩みを持たせてくれる職場と部下にも、どこかで感謝しています。
あなたの職場では、AIの出力を「一度自分の頭で通す」習慣、ありますか?
こんな体験談を書く機会をくれた部下と、最後まで読んでくださったあなたに、心からありがとうございます。
今日の違和感を、明日のヒントに。
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