凡人帳

凡人による、凡人のための学びと発見の記録。読書・仕事・AI・京都文化を通じて、日常の違和感を学びへ変えるブログです。

【読書】『嫌われる勇気』|電話が苦手な人見知りが見つけた”渡す”という視点

私は人見知りで、電話はかける前から緊張します。電話では相手の顔も表情も分からないため、緊張で頭の中が真っ白になって、同じことを2回、3回と繰り返し話してしまう始末で…。恥ずかしい話ですが、いまだに「電話で話す内容メモ」を書いてからでなければ、電話をかけられません。

実はこの本、12~13年前に一度読んでいます。当時は「へー」で終わって、手放してしまいました。最近本屋で見かけて懐かしくなり、そろそろ人間関係・人付き合いについてを見直したいと思って、買い直しました。あの頃の自分は、この本の何を読んでいたんだろう…(^_^;)

■ この本について

岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)

この本を一言でいうと「対人関係の悩みの正体を、容赦なく暴いてくる本」です。

青年と哲人の対話形式でアドラー心理学を紐解く一冊です。「他者にどう思われるか」「他者に怒られたらどうしよう」といった悩みに、精神論ではなく、かなり具体的な理屈で応えてくれます。人間関係に悩んでいる場合、自分の悩みを頭に思い浮かべながら読むと良いかなと思います。(私は登場人物の青年の言い分が「そうそう!」と思いながら読んでいました)

 

■ 一番刺さったポイント

一番刺さったのは、「課題の分離」と、その先にある「自意識過剰=自己中心的」という指摘でした。「これは誰の課題か?その結果・結末を最終的に引き受けるのは誰か?」で考えると、相手が電話でどう感じるかは、そもそも相手の課題です。自分がコントロールできる話ではありませんでした。

さらに刺さったのが、次の一節です。

「他者からどう思われているか」ばかり気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。(岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』ダイヤモンド社、2013年、p183-184)

相手のことを気にしているつもりで、本当は「わたし」にしか関心がなかった。人見知りな自分を、ずっと「相手思い」だと思い込んでいましたが、正体は「自分が、他者からどう思われるか」という自分への執着だったのかもしれません。(-_-;)

 

■ すぐに使えるヒント

電話でもメールでも、話し始める・送信する直前に、10秒だけ「相手に何を渡せるか」と自分に問いかけてみる。「どう思われるか」は、相手の課題です。どれだけ考えても、相手の頭の中までコントロールできませんし、私が答えを出せません。

でも、「相手に何を渡せるか」は自分で考えられます。

  • 必要な情報を渡す
  • 確認してほしいことを渡す
  • 相手が判断するための材料を渡す

そう考えると、電話は「自分が評価される場」ではなく、「相手に何かを渡す場」に変わります。どう思われるかではなく、何を渡すか。まずは、ここから試してみようと思います。

 

▼書籍情報

嫌われる勇気

 

■ 読んでくれたあなたへ

電話前にメモを書く癖は、これからも続けると思います。ただ次からは、要件の前に「何を渡せるか」を1行だけ足してみようと思います。

12~13年前の自分は、この本を読んでも何も変わりませんでした。今回は変わるのでしょうか。あなたにも、昔読んだのに今読み返したら全然違って見える本、ありませんか?

今日の違和感を、明日のヒントに。

【読書】『読書思考トレーニング』|「記憶」と「記録」の使い分けに気づいた話

正直に言うと、私はいまだに、読書メモをどの程度・どのように残せばいいのか悩んでいます(おそらく、正解はないのでしょうけど)。だから、本屋さんで「読書」「読み方」「記録」という言葉が目に入ると、つい手に取ってパラパラめくってしまう。もはや脊髄反射です。今回の本も、まさにその癖で見つけました。

 

■ この本について

今回読んだのは、中崎倫子さんの『読書思考トレーニング――AI活用でロジカルにアウトプットする技法』(筑摩書房、2026年)。目次をみると、読書の目的や選書、読み方といったインプットから感想文や意見の書き方といったアウトプットまで、一連の流れで並んでいます。そのちょうど真ん中あたりに「記憶・記録」に関する章がある。これはもしや、と思って買いました。今回はこの第4章「どう記憶・記録するか?」にしぼって紹介します。

 

■ 一番刺さったポイント

一番印象に残ったのは、メモを取るなら、本当に残したいものだけに厳選するという考え方でした。

ただし、メモを作成するのは手間がかかるため、どうしても残しておきたいものだけに厳選します。後に引用したい、感銘を受けた言葉なのでぜひメモにとっておきたい、これは何かに使えそうだと直感的に思った、などの理由があれば、読書メモを作るとよいと思います。(中崎倫子『読書思考トレーニング』筑摩書房、p169)

読んで、思わず「今の自分やん」となりました。

私はいま、読書記録を別立てでとっているのですが、出て来る文章すべてが大事に見えてしまって、あれもこれもとパソコンに書き込んでしまっています。理由はシンプルで、「将来見返すかもしれない」と思っているからです。

でも実際には、そのメモをほとんど見返していません。

その『いつか』って、いつなんでしょうか?

「見返すかもしれない」という理由だけで残している記録は、いったん手放してもいい。必要になったら、もう一度読めばいい。こうして「念のため全部残す」から何とか脱出したいと思いました。

 

■ すぐに使えるヒント

ここまで考えて、私はこれからの読書メモを少し変えてみようと思います。基本的には、記録するものを次の2つに絞ろうと思います。

「今回の読書の問い(目的)に対する答えになるもの」「今回の問いとは直接関係なくても、強く気になったもの」です。そして、この2つについては、単に文章を写すだけではなく、「原文」と「なぜ自分はこれを残そうと思ったのか(理由、気づき)」をセットで記録する

そして「後で使うかもしれない」を、今の自分が全部準備しなくてもいいと思いました。将来、新たに生まれた問いは、その時、その問いを持って、書籍や記録を探せばいい。まだ存在していない未来の問いに、今の自分が先回りして全部答えようとする必要はない

 

▼書籍情報

 

■ 読んでくれたあなたへ

うまくいくかどうかは、正直まだわかりません。「やっぱりあの部分も残しておけばよかった」となるかもしれないし、「これだけで十分だったのか」となるかもしれない。いずれにしても、いきなり完璧な方法を編み出すのは無理でしょう。

そして、これからも本屋さんで「読書」「読み方」「記録」という言葉には脊髄反射で反応してしまうでしょう(実は、もう1冊、読書に関する書籍を購入していますが…)。そこから新たな方法に出会うかもしれません。うまくいかなければ、そのときはまた悩んで、修正していこうと思います。

ただ、読書メモは沢山残すことが目的ではなく、忘れてしまっても必要なときに戻れる、そのくらいの「最小限の装置」と考えるようになりました。

こんな気づきをくれた中崎倫子さんと、『読書思考トレーニング』という一冊に感謝します。

「今日の違和感を、明日のヒントに」

【読書】『ひそかに人を見抜く技法』|「慎重な人」のつもりが「自信がない人」に見えていた

今日は、一冊の本に自分のクセを見抜かれてしまった話です。

「ちょっと考えさせてください。」

…また言うてもうた(ノД`)

このセリフ、一日に何回言っているのか、自分でも分かりません(笑)。

私は昔から、じっくり考えてから答えたいタイプです。

「慎重派」と言えば聞こえはいいですが、気づけば返事は遅くなり、締切はギリギリ。

そんな自分に、特に違和感を持たず過ごしていました。

ところが、『ひそかに人を見抜く技法』を読んで、

「え、それって周りからそんなふうに見えてたん?」

と思わず本を読みながら笑ってしまいました(ノ∀`)アチャー

 

■ この本について

この本を一言でいうと「読心術の本のふりをした、自分の振る舞い改善本」です。

内藤誼人さんが、心理学の実験データをもとに、表情や仕草、返答のスピードなどから相手の心理を読み解く方法を紹介しています。

タイトルだけを見て「人を分析するための本かな?」と思って読み始めました。

しかし、読み終えたあとに変わっていたのは、

相手を見る視点ではなく、自分を見る視点でした。

著者もあとがきで「相手との付き合いをよくするという目的で、読心術を利用してほしい」と書いています。

この言葉が、この本を読むうえで一番大切なメッセージなのだと感じました。

 

■ 一番刺さったポイント

本書には、質問への返答が早い人ほど「自信がある人」と評価されやすく、

反対に、答えるまで時間がかかる人ほど「自信がなさそう」と見られやすい、

という研究が紹介されていました。

読んだ瞬間、「……あれ、これ私のことやん。」と苦笑いしました(笑)

よくあるんです。

部下から「これ、どうしたらいいですか?」と聞かれ…「うーん、ちょっと考えるわ」と答えてしまうこと。

その後、部下と一緒に「どうしよっか」としばらく唸って、結局最後は上司に答えを聞きに行き、「じゃあ、そうします」と部下に伝える。

その度に「なんでこんなこと、自分の判断でパッと答えられなかったんだろう」と、ちょっと落ち込みます(ノ∀`)アチャー

……ただ、これを書きながら思いました。

「待てよ、全部が自分の判断力不足ではないな」と。

実際には自分に裁量権がない案件も少なくありません。

自己弁護に聞こえるかもしれませんが、実際そうなんです(多分)

とはいえ「自分では判断できないこと」「相手に自信がなさそうに見えること」は、また別の話です。

裁量権がないなりに、もう少し早く反応できる場面は、きっとあるはずなんですよね。

本書では、自信がなくても「さっさと答える」ふりをしているうちに、本当に自信がついてくることもある、と紹介されています。

つまりこれは、「相手を見抜く技術」ではなく、「自分の振る舞いを変える練習」として使える考え方なのだと思いました。

 

■ 今日からやってみること

いきなり会議で即答するのは、正直まだ怖いです(笑)。

でも、「今日のお昼どうします?」「この資料、どちらの色にします?」

そんな小さな質問なら、まず口を開いてみる。

そこから始めてみようと思います。

返事が早くなれば、周りからの印象だけでなく、自分自身の気持ちも少し変わるかもしれません。

明日から急に「即答できる人」にはなれないと思います(笑)。

でも、小さな場面で少しずつ練習していこうと思います。

 

本書には今回紹介した内容以外にも、人との付き合い方を考えるヒントがたくさん紹介されています。

興味を持たれた方は、ぜひ手に取ってみてください。

▼ 気になった方はこちらです

 

■ 読んでくれたあなたへ

『ひそかに人を見抜く技法』というタイトルですが、読み終えたあと、一番見つめ直していたのは自分自身でした。

相手を変えることは難しい。

でも、自分の返事の仕方なら、今日からでも変えられます。

まずは、小さな「即答」から始めてみようと思います。

あなたにも「実はクセになっていたこと」はありませんか?

今日の違和感が、明日のヒントになれば嬉しいです。

読んでいただき、ありがとうございました。

今日の違和感を、明日のヒントに。

今回はここまで。