部署の会議では、驚くほど発言がありません。
順番が来たら、決まったフォーマットで「先週と同じ報告」を淡々と済ませるだけ。
質問もなければ、意見も出ない。
部屋に流れるのは、書記がメモを取る音と、時計の針が進む音だけ。
私が「何か困ってることある?」とパスを投げても、「特にはありません」という言葉の壁に跳ね返されて終わる。
(;゚Д゚)(これ、会議って呼んでいいのか……?)
そんな違和感がじわじわと積み重なっていたとき、本屋で手に取ったのがこの本でした。
柴田昌治著『なぜ社員はやる気をなくしているのか』日本経済新聞出版
■ この本について
一言でいうと、「なぜ正しいことをやっているつもりなのに組織が動かないのか、その構造を解説した本」です。
本書には大きく3つのことが書かれています。
①社員が主体的に動くための「内発的動機」
②リーダーが答えを教えず黒子に徹する「スポンサーシップ」
③失敗を恐れず挑戦できる「セーフティネット」
この中で今回私が最も注目したのは、②のスポンサーシップです。
「自分が引っ張らなきゃ」と空回りしていた私のマネジメント、実は根本的にズレてたわ……と、自室でフリーズしてしまいました(笑)
■ 一番刺さったポイント
私が読みながら「(゚д゚lll)アカン、これ私のことや……」と天を仰いだのは、次の記述でした。
「力のあるリーダーの存在は、組織から『考える力』という最も大切な機能を奪ってしまうことがよくある、ということだ」(柴田昌治『なぜ社員はやる気をなくしているのか』日本経済新聞出版)
これまでの私は、リーダーシップとは「自分が先頭に立って引っ張り、部下が困っていたら即座に正解(答え)を教えてあげること(=シゴデキ)」だと思っていました。
でも、その「親切心」こそが、部下から考える力を奪い、あの静まり返った会議室を作っていた「毒」だったようです。
部下が「特にはありません」と口を閉ざすのは、彼らにやる気がないからではない(と思いたい)。
私が答えをすぐに出しすぎるせいで、彼らが「自分で考える必要」を失い、依存(思考停止)していただけだったのかも知れないのです。
ここで著者が提唱するのが「スポンサーシップ」という考え方です。
これは、自分が主役になるのではなく、「部下が主役となる環境を整え、彼らが主体的に考えざるをえない状況を作る『黒子』に徹すること」を指します。
要するに、私は「答えを教える優しい上司」を卒業して、「一緒に困り、一緒に答えを創り出すための、最高に手の込んだお節介な裏方」に変わらなければいけなかったようです。
これまで「良かれと思って」やってきたマネジメントを、全部やり直したい気分になったと同時に、「そんなことできるのか?」と思いました。
……ちなみに正直に白状すると、「そもそも部下ってやる気持って入社してくるもんなんやろか」という、リーダー失格レベルの疑問もまだ頭の片隅に残っています。
でもまあ、そんな凡人なりに、一歩ずつ考えていくのがこのブログの主旨なので、ご容赦ください。
■ すぐに使えるヒント
部下や同僚から「これ、どうしたらいいですか?」と仕事を振られたとき、答えを即答したい気持ちをちょっとだけ我慢して、 「どうした~。どこが分からん?どこに悩んでるん?」 と気軽に一言返してみてください。
難しい準備は何もいりません。
正直、部下からは「わからんから聞いてんねん、教えろや!(゚Д゚)」という無言の圧力を感じるかもしれません。
だって、私が部下の立場だったらそう思いますもん(笑)
そこをグッと堪えて「答えを持たずに一緒に困る」姿勢を見せることが、相手の思考を動かす最初のスイッチになるはずです。
これを繰り返すことで、相手がどこで躓いているかの「事実」が見えるようになり、結果として的外れな指示出しも減っていきます。
そしてこれこそが、自分だけがすべての重荷を背負い込む「便利屋化」を防ぎ、チームを自走させるための、最もシンプルで勇気のいる一歩だと、この本は教えてくれました。
要するに、一言でまとめるとこうです。
「簡単に答えを言わない。でも、部下に押し付けない。一緒に悩んで、答えを引き出す。」
▼ 書籍はこちら
■ 読んでくれたあなたへ
この本を読んで「なるほど、これからは部下を主役にする『黒子』に徹すればええんやな!(゚∀゚)」と確信した私が、現場で実際にどうなったか。
その……なんとも言えない「衝撃の顛末」については、すでにこちらに詳しく書いてあります(笑)。
▼ 後編はこちら
あなたの職場では、「答えを教えすぎる上司」と「一緒に困ってくれる上司」、どちらが多いですか?
リーダーの役割を根本から再定義するきっかけをくださった柴田昌治先生に、心から感謝します。
そして、私のジタバタする成長ログを最後まで読んでいただいたあなたにも、本当にありがとうございます。 今日の違和感を、明日のヒントに。
