1.書籍情報
タイトル:新版 思考の整理学
著者:外山 滋比古
出版社:筑摩書房
出版年:2024年2月13日
ジャンル:自己啓発、思考法、情報管理・活用
2.本を選んだ理由
日常の思考整理や新しいアイデアを生み出す方法を学びたかったため。特に、知識やアイデアをうまく蓄えたり、発展・展開させる方法を学びたいと思った。
3.本の概要
主要なテーマ:
- 考えを「寝かせる(発酵させる)」ことで、より良いアイデアや創造性を引き出す方法。
- ノートや手帖を使って、情報をうまく整理し、抽象化(メタ化)して活用する方法。
- 忘れることを活かして、大切な情報だけを残すテクニック。
構成:
Ⅰ
グライダー/不幸な逆説/朝飯前
- 学ぶ姿勢として受動的(グライダー)と能動的(飛行機)の違いの説明
Ⅱ
発酵/寝させる/カクテル/エディターシップ/触媒/アナロジー/セレンディピティ
- 「発酵」や「寝かせる」時間の活用と重要性
Ⅲ
情報の”メタ”化/スクラップ/カード・ノート/つんどく法/手帖とノート/メタ・ノート
- 手帖・ノートなどを用いた、思考整理の手法の紹介
Ⅳ
整理/忘却のさまざま/時の試練/すてる/とにかく書いてみる/テーマと題名/ホメテヤラネバ
- 忘却の力(時の試練)の重要性と、情報の精選(書き出し→推敲)
Ⅴ
しゃべる/談笑の間/垣根を越えて/三上・三中/知恵/ことわざの世界
- 声に出すこと、異文化に触れる、三上・三多(リラックス状態)で思考を深化
Ⅵ
第一次的現実/既知・未知/拡散と収斂/コンピューター
- 今後の創造的活動について(第一次的現実の重要性、コンピューターと人間の役割)
4.得られた学びや感想
印象に残ったフレーズ:
思考や知識の整理というと、重要なものを残し、そうでないものを、廃棄する量的処理のことを想像しがちである。(中略)本当の整理はそういうものではない。第一次的思考をより高い抽象性へ高める質的変化である。(p80)
古典的になった興味、着想ならば、簡単に消えたりするはずがない。思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である。(p131)
学びや新しい視点:
・三上・三多・三中の活用:
三多(看多:よく読み、做多:よく作文し、商量多:よく工夫・推敲する)を思考の整理ととらえ、情報を集め、沢山書いてみて、中身を吟味・批判することで、知識・思考が純化させる。
三上(馬上:通勤途中、枕上:朝起きるまでの間、厠上:トイレ)や、三中(無我夢中・散歩中・入浴中)という、思考するのに適した環境を利用する。
・思考はデリケート:
「できる」と言い聞かせて取組むこと。消極的になっていては、出てくるものも出てこなくなる。また、すぐにおさえておかないと「次」はいつやって来るか分からない。
・手帖→ノート→メタ・ノートの活用:
手帖には気になったことをどんどん書込み、いったん忘れる。一定期間が来たら読み返し、必要・面白いと感じたものをノートへ、さらにメタ・ノートへ移していく。こうすることで、一次的情報の抽象化・高度化を行われ、長期的に価値のあるアイデア・情報が進化する。
・寝かせることの効果(人為的な古典化=時の試練):
情報やアイデアを一定期間「寝かせる」ことで自然な発酵が進み、新しい視点や深みが生まれる。忘れることを整理の一部として活用し、時間をかけて自分にとって価値のある情報だけを残す。
・とにかく書いてみることの重要性:
書き出すことで思考が可視化され整理が進み、また、思いもよらない新しい発想を生み出すトリガーにもなる。順序など気にせず、とにかく最後まで書ききってみる。
・話ことのメリット・デメリット:
他人に説明(表現・出力)することで新たな発見が得られるというメリットがある一方、満足してしまったり、否定されたりというデメリットがあることも覚えておく(思考はデリケート)
感想:
単純に情報を記憶しておくのではなく、情報を元に思考・創造することが重要だと思った。生成AIとの棲み分けはどうすればいいのか、新たな悩みができた。
5.誰におすすめか:
6.行動に移したいこと:
- メモ→ノート→メタ・ノートという整理の流れを日常に取り入れる。
- 忘れることを恐れず、寝かせることで本当に必要な情報だけを残すことを意識する。
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